- 第67代理事長 岩木 勇人
井の中の蛙
昨日の褒賞セミナーで安永副理事長が挨拶の中で、アワードに参加してみることで自分自身がいかに「井の中の蛙」だったのかと思い知らされたと言っていました。
「井の中の蛙大海を知らず」
中国の古典『荘子』外編の秋水編にある言葉がその起源のようです。視野が狭く世間知らずといった意味で使われますよね。実は色々と調べると日本に伝わった後に誰かによってそのあとに続く言葉が付け加えられたそうです。
「井の中の蛙大海を知らず、されど空の深さ(青さ)を知る」
なかなか深い言葉ですね。要するに狭い世界で生きてきたからこそ世の中の深みを知っているという前者とは異なる意味になりますね。
話は戻りますが、私は自分を「井の中の蛙」だったと感じる経験こそ大切じゃないかなと思います。そして、JCでの経験豊富な安永副理事長がみんなの前でそれを言えることがすごいなと素直に感じました。
私も大した経験もないですが、これまで何度か「井の中の蛙」だと痛感させられたことがあります。大学進学で東京にいったとき、新卒で入社した会社で、そして父が創業した今の会社に戻ってきたときです。
まず、最初の経験は中高一貫の男子校出身で一学年120名ほどの家族のようなアットホームな学校で純粋培養された私が、大学進学で東京に出たとき。生まれて初めてストレスというものを感じました(笑)当然、福岡から単身東京に出ていくわけですから学校には旧知の友人も頼れる先輩もいないわけです。見ず知らずの人に声をかけるのが恥ずかしい、標準語になじめない、それでいて妙なプライドだけはもっているという。2年間ほど学校には行かなかったですね。まさに「井の中の蛙」が大海に出て溺れていましたww
今思えば、本当に情けない限りです。そんな軟弱な私も両親や友人、様々な人に助けられて、自分がいかに「井の中の蛙」だったかということに気付かされ、何とか溺れ死なずに済みました。感謝しかありません。
特に大学2年の終わり、先月のブログにも書きましたが私の大切な仲間の一人がバイク事故で動けない身体になりました。彼は自分の夢を追いかけ浪人中で、ようやく大学受験にも合格した矢先の出来事でした。いかに自分が恵まれた環境にいるのか、これは当たり前のことではなく有難いことなんだと気付かされ、私の大きな転機となりました。
残り2つのエピソードを書き出すと終わらなくなるので、またいつかの機会に書けたらと思います。何が言いたいかというと、人は「大海」に身を置いているときにでも「井の中の蛙」になってしまうということです。「大海」を感じるためには自分で泳いでみなければ分かりません。JCも同じだと思います。是非この有難い環境に身を置かせてもらえている貴重な時間を、大切に使いたいものだと改めて思うのです。卑屈にならずに思い切って、自分自身の手でこの「大海」を泳ぎ回りましょう。